爺さん、今日は朝から何回も地震がありましたね。
爺
千葉県の東方沖の海底で何回も地震が発生しているらしい。
由香
地震のエネルギーがこうやって少しづつ発散されているんならいいんですが、大地震の前兆ならこわいですね。
爺
今の科学では地震の発生は予見できない。地震が起こったときの対処を考えておく方が賢いぞ。水を確保し、懐中電灯、携帯ラジオを用意することじゃ。
由香
それにしても、地震があると、いつも不思議なことがあるんです。
爺
前兆現象があるんだろう。空に変な雲が現れるとか、ミミズが大発生するとか、なまずがあばれるとか。
由香
そんなんじゃないんです。今日の報道では、千葉市の中央区と船橋市が震度3でしたが、習志野市は震度2でした。
私はいつも不思議に思うんですが、千葉市と船橋市が震度3のときに、習志野市はいつも震度2なんです。両市にはさまれている習志野市が、いつも震度が一つ小さいんです。これはどういうことなんでしょうか。
爺
習志野市の震度計はどこにおいてあるんじゃろうか。あまりゆれないところにあるんじゃなかろうか。
由香
地盤に関係ありませんか。
爺
習志野市、とくに津田沼は縄文時代の沿岸流によって運ばれた砂が堆積した地盤なんじゃ。ようするに分厚い砂浜がそのまま隆起したような地盤が、国道14号から内陸部に広がっているということじゃ。
由香
砂地は液状化現象を起こすんで、危険なんじゃないですか。
爺
これは二つの考え方がある。砂の層が分厚いと下のほうでゆれても、砂の層がゆれを吸収してくれるという考え方がある。津田沼はかって、農業収穫高の8割以上が畑作物であったように、水田には適さない、つまり砂が水を通してしまう地盤なんじゃ。そんなわけで、砂が地震のエネルギーを吸収するんで、習志野市の震度が周辺より低いのかもしれん。
由香
砂が厚いということは、液状化の危険があるということではないんですか。
爺
もう一つの考え方は、由香ちゃんが言うように液状化の問題じゃ。
しかし、習志野市では、埋立地である袖ヶ浦団地より海側には液状化の危険信号を出しているが、津田沼には出していない。
由香
埋立ではなく、純粋に砂の層が分厚いと、液状化のおそれはないということですか。
爺
地質の専門書にはそう書いたものもある。いずれにせよ、千葉市と船橋市の中間にある習志野市が、いつも両市より震度が低いということに由香ちゃんが気づいているということのほうが、わしには重要に思えるよ。
由香
過去の震度の記録を習志野市が精査して、この現象の理由を解明してほしいものですね。